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魚が自分の大きさを鏡で把握 ライバルを攻撃すべきか判断か? 大阪公立大

鏡を見るホンソメワケベラ

大阪公立大学の幸田正典特任教授とスイスのヌーシャテル大学の研究グループは11日、魚類の「ホンソメワケべラ」が鏡に映る自分の姿を見て体長を正確に認識できることを実証した。同日付の学術誌「サイエンティフィック・リポーツ」の電子版に掲載されている。

人は鏡を見て髪型を整えるなど自己認識をすることができる。また、チンパンジーやカラス、イルカも同様の意識が確認されている。だが、鏡を自分の状態を確認するために、意図的に利用できるかは分かっていなかった。

ホンソメワケベラも鏡で自己を認識できる。ホンソメは同種の個体が近づくとなわばりを守るために攻撃する習性があるが、負ける可能性が高い相手との闘いは避けるという。

実験では、対象のホンソメよりも体長が10%大きな個体と同じ大きさ、10%小さいものが載った写真を用意。ホンソメが鏡に映る前後に、写真を見た時の反応を調べた。

その結果、鏡を見ていないホンソメに3種類の写真を見せると同じ時間だけ攻撃をした。続けて、鏡で自己認知した個体に写真を見せると、同じ・大きい体長よりも小さな像を攻めた時間が長かった。一方、見せなかった場合にはどの大きさの写真に対する攻撃時間も変わらなかった。

ホンソメは自分の体長を把握できることが明らかになり、必要に応じて自身の大きさを確認する可能性もあるとしている。グループは「ヒトと動物の自己意識の共通点を明らかにし、自己意識がどのように進化してきたか解明する上で重要な手掛かりになる」とコメントしている。