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嚥下障害と睡眠の質が関係 入眠時間や睡眠困難を助長 広島大と名古屋大

広島大学と名古屋大学の研究グループは、60 歳以上の男女の嚥下(えんげ)障害リスクと睡眠の質の低下は関連することを明らかにした。「嚥下機能の低下が睡眠に及ぼす潜在的な影響について、貴重な洞察が得られる可能性がある」としている。

研究では2012~2015年に実施された60歳以上の3058人に対するアンケート調査の結果を分析した。

その結果、28%に嚥下障害リスクがあり、19.1%に睡眠の質の低下が見られたという。嚥下障害のリスクがある男性は「睡眠の質が悪いこと」と「睡眠不満足」、「不規則な睡眠」は関連していることが分かった。

女性は「睡眠の質が悪いこと」と「睡眠持続時間が6時間未満」は関係していたが、「睡眠不満足」「不規則な睡眠」との関係は認められなかった。

また、男女ともにリスクが「睡眠の質」と「入眠時間」、「睡眠困難」などとの関わりがあると分かっている。

グループは「嚥下機能の維持に焦点を当てた、運動・口腔保健指導・栄養指導などの健康指導は、睡眠の質の改善にも寄与する可能性がある」と評価している。