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米ビル&メリンダ・ゲイツ財団、茨城大・西澤智康教授らのプロジェクトに約5億円を支援

水田におけるKH32C導入の実証実験の様子

茨城大学は9日、同大の西澤智康教授らの研究プロジェクト「M4NCO」が米ビル&メリンダ・ゲイツ財団から約5億円の支援を受けると発表した。温室効果ガスであるメタンは、環境リスクが二酸化炭素の27倍とされる。同プロジェクトは、その改善に貢献できるという。

アジアやラテンアメリカの小規模農家では、メタンの排出源となる水稲栽培がさかんに行われている。気候変動対策として、品種改良や高度な灌漑(かんがい)システムが求められるが、コストの問題で実施は困難だ。

西澤教授らはバクテリア「KH32C」をイネに接種させて、栽培することでメタン排出量を約20%削減できることを確認している。プロジェクトではアジアとラテンアメリカで同様の効果が見られるかを検証する。

西澤教授は「日本国内とアジアの稲作への技術転換と実装を模索していたときに、私たちの研究がビル&メリンダ・ゲイツ財団のみなさんの目に留まり、研究助成をいただくことができた」とコメント。「私たちが目指す温室効果ガス排出量削減の実現に大きく近づくことになった」と述べている。