熊本大の稲葉継陽教授
熊本大学と細川家に関わる資料を保存する文化財館の「永青文庫」(東京都文京区)は6日、同文庫から新たに60通の織田信長の発給文書を見つけたと発表している。信長は細川藤孝に「あなたの働きこそが重要だ」と送っている。
発給文書は過去にも59通発見されており、全てが重要文化財に指定されている。今回見つかった書状からは、室町幕府の最後の将軍である足利義昭の側近藤孝と信長が通じており、藤孝が室町幕府を滅亡させるキーマンであったことが分かるという。
熊本大の稲葉継陽(いなばつぐはる)教授は「藤孝の具体的活動や政治思想を究明することが本能寺の変を含む織田政権期の政治史研究にとっての大きなテーマとなる」と話している。
書状の原本は10月5日から同文庫で開催される展覧会「熊本大学永青文庫研究センター設立15周年記念『信長の手紙』」に出展される予定。