文教速報デジタル版

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人の意思決定は眼球運動に現れることを発見 心の可視化に近づく成果(東北大)

◇発表のポイント

◎「目に見えない心の中のプロセスである意思決定をどうすれば可視化できるか?」は人間の行動理解に向けて明らかにすべき大きな課題の一つ

◎意思決定と関連のない運動行為(眼球運動や手の到達運動を行っている場合でも、眼球運動は意思決定の影響を受け続けることが明らかになった

◎人間の行動の方向性を決める意思決定が、目に見える運動行為である眼球運動にだけ影響を与えることから、この研究成果は眼球運動が目に見えない心の中の意思を読み取る窓になる可能性を示している

意思決定は自らの判断を決定することであり、人間の行動にとって不可欠な認知プロセス。このプロセスの可視化は意思決定を理解する上で重要となる。

意思決定の可視化により、人が次に何をしようとしているか、何を考えているかを先読みして対策を講じることができ、例えば、メンタルケア支援、認知症ケア支援、犯罪予防などに役立つと考えられる。しかし、どうすれば意思決定を可視化できるかは大きな課題となっている。通常は形成された意思決定に基づいて運動行為が計画され実行されます。そのため従来の研究では、意思決定と関連のない運動行為は意思決定の影響を受けないと考えられていた。

東北大学大学院情報科学研究科の松宮一道教授の研究グループは、意思決定が、その意思決定と関連のない運動行為(実際には、眼球運動と手の到達運動)にどのような影響を与えるのかを研究。その結果、今回の実験対象のうち眼球運動が意思決定の影響を受けることを明らかにした。この成果は、眼球運動から目に見えない心の中の意思を推定できる可能性を示している。