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国立天文台 239個の太陽系外縁天体を発見 天体群の谷間を新観測

すばる望遠鏡

国立天文台は5日、すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラによる探査によりカイパーベルトの外側に、まだ知らない天体の集団が存在する可能性を示した。研究チームの吉田二美博士は「最もエキサイティングだったのは、既知のカイパーベルトを超える距離に天体が11個も見つかったこと」と述べた。

太陽からの距離が 30-55 天文単位(天文単位は地球と太陽の平均距離)にあるものは「カイパーベルト天体」と呼ばれる。すばる望遠鏡は2020年から超広視野カメラ(HSC)を使った観測を開始し、23年までに239個の太陽系外縁天体を発見したと報告している。

50-70天文単位にある天体は少ない一方で、70-90あたりには一群があるように見えたとしている。天体群の谷間は他の観測では報告がなく、太陽系惑星の形成過程の研究に影響を与える可能性があるとしている。

■太陽系外縁天体

海王星よりも遠い距離で太陽の周りを公転する天体の総称。