死亡して発見されたアズマモグラ
多摩動物公園と福島大学は2日、世界で初めて飼育している東日本などに生息する「アズマモグラ」の繁殖を確認したと明らかにしている。子の死亡が明らかになったが、生物学的に貴重な知見だという。
多摩動物公園は2022年からアズマモグラの繁殖を目指している。落ち着いた環境の飼育ケースを用意したり、オスとメスの同居時期を限定したりするなど試行錯誤を重ねてきた。
昨年3月6日以降には終日同居させる実験を行うと、同年7月に飼育ケースでメスの死体と2頭のモグラを確認した。福島大学の虚力を得て親子判定検査を行うと、死んでいたモグラは子どもであると判明した。メスが野生で妊娠していた可能性はないという。
アズマモグラは里山や山地で暮らし、一生を土の中で過ごす。春から初夏に繁殖して、寿命は野生では3年程度とされている。地中に網の目のようなトンネルを掘り、落ちてくるミミズなどを食べて生活するという。外見から雌雄を判断することは困難で、未解明な点が多い動物だ。