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膵がんをAIで高精度に識別 発見困難な早期腫瘍も分別可能 京大など4団体

京都大学と近畿大学、京都府立医科大学、医療機器の「アークレイ」は28日、血中マイクロRNAの解析により膵がん発症の有無を高精度に識別できることを明らかにした。AI(人工知能)による膵がんとそうでない患者の判別モデルを構築したという。同日付の医学誌「British Journal of Cancer」に掲載されている。

血液中のマイクロRNAが膵がんの新たなバイオマーカーとなり得ることが先行研究で示唆されているが、早期ステージの無症状の膵がん患者に着目して検証された研究はこれまでなかった。

研究グループは膵がん患者212人と非がん対照者213人の血液中マイクロRNAを測定し、AI により膵がん患者と非がん対照者を識別する「膵がん判別モデル」を作成。独立した検証群でその識別能を検証した。

その結果、腫瘍マーカー「CA19-9」を比較することで、がん患者とそうでない人を高精度に分別することに成功している。1割程度しか発見されない早期の膵がんでも可能なことが認められており、がんの素早い発見につながる技術であるとしている。

グループは今後について、「高リスク群でも、本研究で構築した膵がん識別モデルが有用であるのかを検証して技術の社会実装に向けて進んでいく」と説明している。