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他人の選択を考慮する脳回路 AI分野での活用に期待 理研

他者の選択を予測し自らの意思決定を行う脳回路のイメージ

理化学研究所の中原裕之(なかはらひろゆき)チームリーダーらの研究チームは24日、他人の選択を予測して自らの意思決定に生かす脳回路の働きを明らかにした。同日付の米科学誌「The Journal of Neuroscience」電子版に掲載されている。

研究チームは、機能的磁気共鳴画像測定(fMRI)を用いた実験を行い、その実験データを意思決定に関する脳計算モデルを使って解析した。他人の選択を予測し、意思決定を行う主要な脳回路を特定している。

特に他者の選択の予測において、「ありそうな他者選択にもとづく自らの意思決定」と「なさそうな他者選択にもとづく自らの意思決定」が別の脳部位で処理され、両者の働きを他者予測の確からしさに応じて調整が自動的に働いていることを見いだした。

グループは「社会性脳機能に関わる基礎研究や社会性に関わる脳疾患のプロセスの解明と治療法開発、社会知性を人工的に実現しようとするAI研究のそれぞれの分野で生かされることが期待できる」としている。