研究のイメージ図
筑波大学の松井崇(まついたかし)助教らのグループは22日、オンラインゲームをしている時にプレーヤー同士が心拍数などの生態信号を共有すると「共にプレーした感覚」が高まることを突き止めたと発表している。
多人数が参加するゲームでは協力という要素が組み込まれており、互いの感情状態の解釈が課題となっている。無意識にコミュニケーションの参考としている手汗や筋肉活動、心拍などの生態信号が分かりにくいためだ。
研究では生態信号と顔画像を共有できるプラットフォーム「バイオ・シェア」を開発。この活用が感情や考えを把握する能力の向上に有用かを検討するため、面識のない若者のゲームプレーヤー20人を集めて5試合のサッカーゲームをした。
その結果、相手の顔と心拍数がビデオ表示されるオンラインプレーでは、プレーヤーがそれぞれを確認するようになったという。互いが一緒にいると感じる度合は、対面が最も高くかった。続けて、相手の顔がビデオ表示されている場合、心拍がビデオ表示されている場合、相手の情報が得られないオンラインプレーの順にその程度は大きくなった。
グループは「視覚共有の提示デザインをブラッシュアップし、多人数によるコミュニケーションでの効果も確認しながら、バイオ・シェアの効果と適用範囲を最適化する」とコメント。「孤独を前向きに解消できるサイバー・コミュニケーションのあり方を構築していく」と意気込んでいる。