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食べられるシャボン玉を発明 ミルクやコーヒーで作成可能 ケーキの外装など応用 大阪工業大

シナモン粒子で作ったガスマーブル、右下は不規則な形状が絡み合い安定したマーブルにつながっている様子

大阪工業大学の藤井秀司教授のグループは今月、食用カプセルとして利用できるシャボン玉を開発したと発表した。ミルクや豆乳でも作ることができ、スイーツの飾りつけとしても利用できそうだ。

シャボン玉は洗剤に含まれる界面活性剤分子が水膜に吸着することで安定化される。近年、活性剤分子の代わりに個体粒子を水膜に着けることでもシャボン玉を作成できると判明。この過程でできたものをガスマーブルと呼ぶ。

研究では香辛料の「シナモン粒子」を使用することで食用のガスマーブルを生み出した。シナモン粒子と水膜をくっつけると、安定なガスマーブルが作製可能で、水が蒸発した後も割れずに球状の構造を保てると確認している。ミルクと豆乳、コーヒーでも成功している。

これは歯でかむと「カリッ」と音がたち、見た目の面白さやシナモン由来の香りなどを利用して食物の装飾に活用することもできるという。藤井教授らは「発したガスマーブルは、分子ガストロノミー(分子美食学)の分野でも活躍できる」と期待している。