岡山大学の加藤篤之(かとうあつし)大学院生らのグループは先月、新型コロナウイルス感染症の後遺症外来を受診した患者に見られる「起立性調節障害」の有無と特徴を調べた。立ちくらみがする陽性者の約5割が若者であり、症状がでた患者の成長ホルモンが低いことも分かっている。
起立性調節障害は、自律神経の異常によって血圧や心拍数の調節が上手く行われず、立ちくらみやめまい、動悸(どうき)などの症状が生じる。後遺症患者の障害を疑って86人を調査したところ、33人が起立試験陽性で、約半数は20歳未満の若者であった。
症状としては吐き気と動悸が多く、若者では血中の成長ホルモンが低いことも明らかになったという。実験により若者の立ちくらみ症状がコロナ後遺症に関連する場合があることが認められた。
グループの大塚文男教授は「コロナ後遺症の原因究明とその治療方針に関する研究を行い、発信していきたい」とコメントしている。