順天堂大
横浜市立大学と順天堂大学の研究グループは8日、65歳以上の心不全で入院した患者が体重を減少させて退院すると死亡率を増加させると明らかにしている。12%以上の減少で死亡率が約2倍大きくなるとしている。
心不全は息切れやむくみが起こり、命に関わる病気とされる。患者数は2035年までに130万人に達するとされる。その患者の中でも体重減少が認められる状態「カヘキシア」では治療効果が期待できない割合が高く課題となっている。だが、体重変化がどのような意味を持つのかは分かってなかった。
研究では高齢患者1332人を2年間追跡調査して、退院時に測定された体重を前年の記録と比較した。
その結果、83%で体重減少を認めた。現在、慢性⼼不全における体重減少の基準値は5%とされている。「5%の体重減少を認めた」患者と「体重減少が5%未満」または「減少していない」対象を⽐較すると、退院後の死亡率には差はなかった。
だが、12%を超えて少なくなった患者は、より少ない体重減少または減少していない人と⽐べて死亡率が⾼いと判明した。この数値よりも大きな体重減少は、その後死亡する可能性を1.5倍高めることが確認されている。
グループは「体重減少している⼼不全⼊院患者にどのような評価、対策を取るべきか、対策や治療を⾏った結果がどうなるかを明らかにする研究へ発展することが期待される」としている。