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電磁波でコンクリート内部を透視 鉄筋腐食状態を推定 芝浦工業大×東北大×コンステック

測定した鉄筋腐食試験体

芝浦工業大学と東北大学、建造物の長寿命化を手がける「コンステック」は7日、電磁波である「サブテラヘルツ波」によるコンクリートや鉄筋の評価技術を開発した。鉄筋の位置や腐食度を電波で確認することができる。

建物の維持管理コストを低減するためには、劣化が顕在化する前に対策を行う予防保全による維持保全が求められている。従来の目視や打診を中心とした調査は、劣化が顕在化する以前の情報を把握することはできなかった。

サブテラヘルツ波はコンクリートなどの透過性が高く、金属に対しては高い反射性を持つ。新技術ではサブテラヘルツ波をコンクリート表面から入射し、反射波の強度によって鉄筋位置や腐食度を評価する。

グループは開発した装置によるコンクリート中の鉄筋腐食度の測定フローを検討した。電磁波レーダー装置を併用する場合と、サブテラヘルツ装置のみで鉄筋位置情報を取得する場合に分けて測定することにより、サブテラヘルツ波の情報から鉄筋腐食の有無の判断、腐食開始初期における鉄筋の質量減少率の推定が可能となる。

今後について3者は「サブテラヘルツ技術を用いた実構造物での測定を想定した実験を行い、予防保全、長寿命化に有用な測定技術として確立するための取り組みをする」としている。