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自分の歯の本数が孤独感に関係? 口腔健康維持が孤立を軽減 東京医科歯科大調査

東京医科歯科大学

東京医科歯科大学の松山祐輔准教授は、自分の歯が一本もない状態が孤独感を増やすことを明らかにした。5日付の米医学誌「ジャーナル・オブ・デンタル・リサーチ」のオンライン版で公開されている。

孤独感は多くの健康問題のリスクを増加させることが知られている。口腔(こうくう)は人と話す、笑うなどの社会的コミュニケーションを促進する重要な役割を果たすが、口腔の問題が孤独感に関連するのかは明らかではなかった。

松山准教授は英国で50歳以上の人を対象にした調査を分析。それによると、歯がなくなった人は維持した場合と比べて、割り出した孤独感スコアが0.27高かったとしている。これは歯の状態と有意な関係が見られたという。歯の本数が少なくなることで、話したり笑ったりする機能が低下し、孤独を感じさせると考えられている。

松山准教授は「歯を失うことで、会話や食事を楽しむ機会が減少し、孤独感が増加するなどの可能性が考えられる」と説明。「研究の結果は、口腔の健康を維持することが、高齢者の孤独感を軽減するための一助となる可能性を示す」とコメントしている。