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心筋細胞の機能を正常化させる仕組みを発見 食事による不整脈の予防法開発に貢献 近畿大×大分大×徳島大

⿂の切り⾝とEPAカプセルのイメージ画像

近畿⼤学と⼤分⼤学、徳島⼤学の研究グループは、⿂油(ぎょゆ)に豊富に含まれ血栓の生成を抑える「エイコサペンタエン酸」(EPA)が、⼼筋細胞の機能を正常化させることを発⾒した。食事により不整脈を予防する手法の確立が期待されている。

EPAは先⾏研究で⾎管機能改善作⽤と抗⾎⼩板作⽤により循環器機能を改善し、⼼房細動などの不整脈を予防すると明らかになっている。市販のサプリメントとして購入できるが、心筋細胞への作用やその過程は分かっていない。適正な摂取量も判明しておらず、それを明らかにする必要があった。

研究グループは、マウスの⼼臓から⼼筋細胞を取り出し、⼼房細動が誘発される際と同程度の飽和脂肪酸を添加することで、⼼房細動患者の⼼房筋でみられる現象と類似した状態を再現した。そこにEPAを添加し、心筋細動の拍動を正常化させると判明した。また、細胞内の心筋の電気活動の制御に関わる因子の発現も通常状態に戻している。

研究グループは「これまで不整脈をコントロールする技術や薬剤はあったが、不整脈を予防する⽅法は確⽴されていない。研究成果は⾷事により不整脈を予防する⽅法の開発につながる」としている。