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緑内障手術で視野を確保するゲル「シアーズ」 医療機器として承認 阪大・岡山大・メニコン

大阪大学と岡山大学、大手コンタクトレンズメーカー「メニコン」は6日、眼科用視野確保材「シアーズ」が新たに日本の医療機器として承認を得たと発表した。緑内障手術時に手術部位の視認性の悪化を防ぎ、安全性向上や患者の負担軽減につながりそうだ。

見える範囲が狭くなる「緑内障」の治療は、薬物療法とレーザー治療、手術があり、薬物とレーザー治療がうまくいかなかった場合に手術を行うことが多い。薬物療法の副作用から目が充血しているため、たくさんの出血を伴うことで視認性は悪くなることが多い。その際に生理食塩水で洗い流すといった処置が行われるが時間の延長や患者負担の増加につながっている。

岡山大とメニコンは安定的で透明度が高いハイドロゲル「自己集合性ペプチド」(SPG-178)を開発。大阪大と同社がSPG-178の周囲に血液があっても透ける性質を使った緑内障手術時の視認性を確保するための材料として適切な組成を検討して、7年の時間をかけてシアーズを生み出した。

3者は「本医療機器は緑内障手術時の術野視認性を改善し、より良い医療の提供に貢献できる」と力を込めている。