筑波大学と藤田医科大学の研究グループは、学習能力を評価してプランニングを行う「メタ学習能力」が脳卒中後のリハビリテーションに大きな影響を与えている可能性を発見した。メタ学習能力を高め、運動能力の改善効率を高めるリハビリの開発が期待されている。
研究グループは脳卒中片麻痺の患者29人を対象に30分程度のメタ学習実験を通じた運動学習の加速の程度とリハビリの介入効果を示す「機能的自立度評価」(FIM)の測定を実施した。
その結果、FIMはメタ学習能⼒と正の相関を⽰したが、年齢が上がるにつれてこの関係が弱まることも分かった。これは、メタ学習能⼒が⾼い⼈は日常生活の改善がより⾒込まれることを⽰唆しており、メタ学習能⼒が効率的な運動能⼒の改善に重要であると明らかにしている。
グループは「今回、⾃分の学習能⼒を⾒つめ、学習をプランニングするメタ学習能⼒が、運動能⼒の改善の要因になっていることが明らかになった」と説明。「研究結果は、低いメタ学習能⼒を⽰す個⼈に対しても、訓練によって効率よく運動能⼒が改善できるようなテーラーメイド・リハビリテーション治療の開発につながる」と評価している。