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ポリエチレン製のいかだ、竹よりも5倍強い 台風による養殖業の被害減少に貢献 大阪公立大

大阪公立大学の二瓶泰範准教授らの研究グループは、耐久性の向上を目指して開発が進むポリエチレン製のいかだの性能を検証した。その結果、ポリエチレンは竹に比べ、約5倍高い耐久性を持つことが明らかになった。素材の普及が進むことで、台風による破損被害の減少や養殖業の発展につながりそうだ。

牡蠣(かき)の養殖方法の一つに、いかだを用いる方法がある。材料は竹が主流だが、丈夫でないため台風で激しい波にさらされると壊れてしまう。そこで、ポリエチレンを使った強いいかだが考案されている。大阪公立大はポリエチレンが弱くないと証明するための実験を行った。

研究ではまず、竹とポリエチレンで作成されたいかだの頑丈さを評価するために数値解析を行った。その結果、ポリエチレンは竹と比べて5倍ほど壊れにくいことが分かった。

次に、結果が本当に正しいかどうかを調べるために模型を用いた実験を実施。それによると、両者の結果は概ね一致したため、その正しさが示された。また、いかだに生じる曲げ運動の波周期ごとの特徴を明らかにしている。

グループは「ポリエチレン製のいかだが今後普及し、台風によるいかだの破損被害の減少が期待される」とし「研究で開発した数値解析技術は牡蠣だけでなく魚類の養殖生けすの性能評価にも適用できる」と評価している。