東北大学の研究グループは、患者から採取した虫歯の原因となる「プラーク」が歯の欠損の抑制に貢献する可能性を明らかにしている。虫歯予防法の新規開発に貢献するかもしれない。
研究では、主に葉物野菜などに含まれる「硝酸塩」がプラークによる酸産生を抑えることを初めて示した。プラークには酸産生細菌以外に、硝酸塩を亜硝酸塩に変える細菌が含まれており、これらの細菌で作られた亜硝酸塩が、プラークの酸産生を抑制することが分かっている。
また、プラークには亜硝酸塩をさらに分解する細菌がいることも認められた。だが、硝酸塩が十分に供給されると、亜硝酸塩の分解よりも産生が大きくなり、貯留した亜硝酸塩によってプラークの酸産生の抑制が起こると考えられる。
研究グループは「今後は、口腔細菌による、より効果的な亜硝酸塩産生条件の模索や細菌群との最適な共生のあり方などを含めて、さらなる研究を進めていきたい」としている。