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言語をつかさどる脳領域が移動する法則が明らかに 脳のハブ領域が言語機能を代償 金沢大

金沢大学の中田光俊教授と順天堂大学の小西清貴教授らの共同研究グループは1日、後方言語野の機能シフトの特徴を明らかにした。この発見は今後の脳科学研究の発展に大きく寄与するとしている。

脳の機能領域に病変が及んだとき、自らの機能を守るために脳機能が別の場所に移動することがある。だが、人の脳でこのシフトがどのようなに起こるのかは明らかになっていなかった。

研究では左大脳半球の脳腫瘍症例を対象として後方言語野(ウェルニッケ領域)の機能シフトの特徴を調べた。

グループは、ウェルニッケ領域に病変が及んでいる群とそうでない群に分けて、言語機能の分布を調べた。その結果、ウェルニッケ領域に病変が進展すると言語機能は縁上回後方に広がることが分かった。

興味深いことに大脳にある「縁上回」後方は脳機能のハブであった。なお、ウェルニッケ領域に病変が進展した症例の言語機能は正常であった。これらは病気がウェルニッケ領域に進展すると、脳のハブ領域が言語機能を代償することを示しているという。

研究グループは「本研究で発見した機能シフトの特徴は,脳科学の世界において未だ解明されていないヒト高次脳機能の可塑(かそ)性の解明に極めて重要な知見であり、今後の脳研究に大きな影響を与える」としている。