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世界初 タイワンカモシカの木登りを証明 380の偶蹄類で8例目 東京農工大など

東京農工大学と台湾の国立屏東科技大学の研究グループは、台湾に生息する「タイワンカモシカ」が木登りを行うことを世界で初めて明らかにした。牛やシカといった偶蹄(ぐうてい)類では、非常にまれだという。

タイワンカモシカは日本に生息するニホンカモシカに近い仲間。ヤギやヒツジと近縁なグループに属する。研究ではタイワンカモシカの画像や動画をSNSから収集し、地域や時間帯、登った樹木の種類などを収集した。

その結果、15例が標高200~3500mの幅広い地域で計10種の樹木で観察された。高さは地上60cm~4mまで確認され、約半分が木の上で採食していたため、葉を食べるための行動だと推測されている。

偶蹄類は約380種で構成されるが、木登りをする種はタイワンカモシカが8例目。グループは気に登るニホンカモシカはおらず、「カモシカの仲間の種間で形態や行動の比較をおこなうことで、木登り行動の進化について探っていくことができる」としている。