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イカの卵に寄生する新種のカイアシを発見 寄生虫を殺す過酢酸の特許も出願中 OIST

Ikanecator primusのメスを正面から撮影した電子顕微鏡画像。画像提供=ゾラル他、2024年

沖縄科学技術大学院大学の研究チームは今月、水槽内のイカの卵を死滅においやった新種の寄生性カイアシ類「Ikanecator primus」を発見した。また、それらを殺す溶液を見つけて特許を出願している。チームのズデニェク・ライブネル博士は「このような病気管理の進歩により、飼育しているイカの健康が改善されることは喜ばしいこと」としている。

研究チームは研究用のイカ飼育システムを開発していたが、イカの卵のおよそ7割が生まれず、稚イカは損傷や感染症が原因で1~3日で死んでしまうという課題があった。

メメット・アリフ・ゾラル博士がイカの卵にカイアシが寄生し、卵を食べている姿を発見。卵にくっつき酵素を使って、かみ砕いていたという。さらに、子どもが生まれても傷害を与えていた。それが、細菌感染にもつながっていると考えられている。

チームはこのカイアシをIkanecator primusと名付けた。日本語のイカ「ika」とラテン語で殺し屋を意味する「necator」を組み込んでいる。また、漁業者らとの共同で2分以内に寄生虫を全て殺し、イカや環境に影響を及ぼさない過酢酸を発見して特許を出願中だとしている。