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ミナミトビハゼが陸上を歩く方法をマイクロCTで確認 50年ぶり OIST

ミナミトビハゼの解剖学的構造、ファビエン・ズィアディ博士ら作成

沖縄科学技術大学院大学(OIST)のファビエン・ズィアディ博士らのグループは今月、トビハゼの仲間「ミナミトビハゼ」が陸上を歩き回って生活することができると発表している。トビハゼ類のヒレの解剖学的研究が行われたのは1960年代が最後であり、かつてできなかった方法で仕組みを調べている。

ミナミトビハゼは肺を持たないにも関わらず、口や皮膚を使って空気中で呼吸をすることができる特徴がある。さらに、泳ぐときにも歩くときにも使える胸ビレがあり、それを前方に持ち上げて動く。

グループは内部を可視化する「マイクロCT」を使ってミナミトビハゼを調べると、胸ビレの筋肉が大きく、それを支える骨も巨大であると分かった。

さらに、骨と筋肉をつなぐ腱(けん)の一部が筋肉を結合・安定化する「筋膜組織」に置き換わっていることを発見。肩と腹ビレの間に関節のようなものがあり、それでつながっていることも突き止めている。

ズィアディ博士らは今後について、「仔魚(しぎょ)から成魚への発育過程を観察し、この変化をより深く理解したいと考えている」とコメントした。