超鏡空中像の視聴イメージ、(左上)鏡の中の空中像と(左下)鏡の外の空中像
NTTは26日、デジタル情報が鏡の内外を自在に行き来できる超鏡空中像表示システムを世界で初めて開発したと発表した。鏡の内外を問わずデジタル情報を高い実在感で表示し、感覚的な操作が可能になる。
開発したシステムは、移動機構を備えたディスプレイの映像を再帰反射という現象を利用することで複数のユーザーが VR ゴーグルや3Dグラスなどの装着物なしに同時に超鏡空中像を視聴できる。
システムではユーザーが手を伸ばすことのできない鏡の中の像にも操作を実現する手法を考案した。まず、リアル空間の手の位置座標をセンサーで取得。空中像を鏡の外に表示するときは、ユーザーの手の座標をそのまま使って空中像を操れるという。
空中像を鏡の中に表示するときは、鏡に映った手の座標を算出して空中像を操作する。このように空中像の表示領域に応じて座標を切り替えることで、ユーザーは鏡の内外を問わずに空中像と対応できる。
NTTは「博物館などの文化施設やイベントなどのエンターテインメントの場においてリアルやバーチャル交錯空間における新たな映像視聴体験の創出を目指す」としている。