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世界初 アンモニア個体を常温で安定化 奇跡の水素貯蔵物質「ホウ酸ガラスマトリックス」 兵庫県立大

ホウ酸ガラスマトリックスに閉じ込めたアンモニア固体

兵庫県立大学の研究チームは25日、マイナス78度以下の凍結で生成するアンモニアの固体を世界で初めて常温下でも存在させることに成功した。奇跡の水素貯蔵物質になる可能性があると期待されている。

二酸化炭素(CO2)を排出削減するため、太陽光や風力発電などの自然エネルギーの利用が進められている。自然エネルギーは天候に依存するため、需要にあった供給が困難だ。電力を必要なときに使用できるよう蓄電技術を開発する必要があり、有力な技術として水素をアンモニアとして貯蔵する方法があるが、アンモニアは常温で劇物の気体であった。

チームはホウ酸ガラスマトリックスにアンモニア個体を微粒子として閉じ込めることに成功した。52度まで加熱しても気化せず、個体の形態を保ったという。

チームは「ガラスマトリックスにアンモニアを分解する触媒物質を加えると、80~200度の低い温度で、アンモニア固体から水素を分離回収できる可能性がある」と説明。現在、水素の分離回収に挑戦しているという。