眼球と手の運動
宇都宮大学の松浦佑希准教授と筑波大学の坂入洋右教授らの研究グループは、眼球運動および両手協調運動を組み合わせた練習によって、アスリートのバランスをすぐに安定させることを見いだした。今後、運動選手のパフォーマンス発揮場面の効果を検討する意義があるという。
アスリートを対象としたバランストレーニングは、動作の向上のみならず怪我の可能性を軽減させる観点からも評価されている。だが、ウォーミングアップとしてのバランス改善に関する運動の検討は十分ではない。
研究グループは大学生30人を対象に、眼球運動と両手協調運動、それらを組み合わせた運動6種類のエクササイズプログラムを構成。それぞれ約5分間で実施した。
その結果、眼球と両手協調運動を組み合わせた運動は、バランス時の大きな揺れを減少させて姿勢の安定性を高めることが確認された。眼球と両手協調運動を独立して実施した場合も揺れを少なく感じさせると認められている。
松浦准教授らは「アスリートの即時的なバランス調整方法として有効である可能性を示した」とし「バランストレーニングに本研究で実施した運動を加えることで、よりバランスの改善効果が得られる新たなトレーニングとしての活用可能性も考えられる」と表現している。