物質・材料研究機構(NIMS)は、ソフトバンクと共同で、高エネルギー密度金属リチウム電池の性能評価データに対して、機械学習手法を適用し寿命予測モデルを構築した。放電、充電、緩和プロセスから得られる情報を基に、特定の劣化機構を仮定しない高精度な予測モデル作成に成功している。本成果は、金属リチウム電池を搭載したデバイス運用における信頼性の向上に寄与し、金属リチウム電池の早期実用化に貢献する。
研究チームは、金属リチウム負極とニッケル過剰系正極で構成される高エネルギー密度な金属リチウム電池セルを多数作製し、その充放電性能を評価した。得られた充放電データに対して、機械学習手法を適用することにより、金属リチウム電池の寿命予測モデルを構築している。
放電、充電、緩和プロセスから得られたデータを分析することで、特定の劣化機構を仮定することなく、サイクル寿命を予測することが可能なモデルを生み出した。研究グループは今後について「寿命予測モデルの予測精度をさらに向上させ、新規材料の開発にも活用することで、高エネルギー密度の金属リチウム電池の実用化を加速する」としている。