文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL

文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL
ハイドレートの基本構造を70年ぶりに発見 パワーデバイスや高強度材料の創造に貢献 横浜国立大×産総研

メタンハイドレートのイラスト

横浜国立大の室町実大准教授と産業総合研究所の竹谷敏上主任研究員らのグループは24日、メタンハイドレートとして知られる包接水和物(ハイドレート)の最後の基本構造を70年ぶりに発見した。同日付の科学誌「サイエンス・アドバンシズ」に掲載されている。新たな材料創成につながる基盤技術になると期待される。

ハイドレートの三つの基本構造のうちの一つである「Hexagonal構造」は、幾何学的に配置することは可能であるものの熱力学的には不安定であり、これまで実際に創り出すことができなかった。グループは構造を不安定化してしまう部分に適した物質を合成。これを用いて構造を安定化させることに成功した。

この新しい構造は、メタンと二酸化炭素(CO2)のガス包蔵量が従来のHexagonal派生構造と比べて高く、ハイドレートを利用したガスの貯蔵・輸送技術やCO2の分離・回収技術の実用化につながる可能性がある。また、パワーデバイスや高強度材料など新たな材料創成につながるかもしれない。