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頭頸部がん患者のリンパ節に抗がん剤を直接注入 世界初の臨床研究実施 東北大・岩手医科大

東北大学と岩手医科大学の研究グループは、進行・再発頭頸部がん症例の転移リンパ節に対する特定臨床研究を今年6月から開始した。リンパ節に薬剤を直接投与する手法の有効性を検証する。この方法を標準的な治療法として確立していきたい考えだ。

頭頸部がんは所属リンパ節に転移が確認された場合、5年生存率が30~70%程度まで低下する。そのため、リンパ節を早期に診断し治療することが重要だ。転移リンパ節の治療では静脈経路による全身化学療法が用いられるが、十分な抗がん剤がリンパ節内に貯留できない状況にある。

研究ではがん患者に抗悪性腫瘍剤「ドセタキセル」をリンパ節に注入。1週間目に全身麻酔薬を行った上で、頸部リンパ節を摘出して効果を判断する。頭頸部がんに対する本手法の標準治療法の確立や他のがんへの適用拡大も目指していくという。