森林の炭素吸収力維持のイメージ図
東京大学と森林総合研究所などが参画する国際研究チームは、過去30年間の地球にある森林の炭素吸収力が維持されていたことを明らかにした。今後も継続するために、森の減少と劣化を食い止める必要性を指摘している。
調査によると、世界の森林地帯の炭素吸収力は1990と2000年代は3.6ギガトンで2010年代は3.5ギガトンであった。内訳として温帯林は1990~2010年代で30%増加し、再生された熱帯林で29%大きくなっている。一方、北方林で36%減少し、熱帯原生林も31%少なくなった。
研究グループは炭素吸収量が保たれているものの、老齢化や森林破壊といった危機に瀕しているとしている。例えば、熱帯原生林が減ることやアマゾンの干ばつが吸収力を低下させているという。
グループは「重要なことは炭素放出を食い止めること」とし「木材製品をより長く使っていくことや、持続可能で循環型の木材利用を進めていくことも有効だ」と紹介している。