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産総研と日立造船、下水汚泥ガス化技術の実地試験 環境に優しい下水処理に期待

実験技術のグリーン化イメージ図

産業総合研究所と日立造船は今年10月から2026年3月まで、下水汚泥ガス化技術について鹿児島市南部処理場(鹿児島市南栄)でフィールド試験を実施すると発表した。得られたガスの電力利用を実用化できれば下水処理場で、自給することでグリーン化が期待できるという。

全国の処理場では多くの電力が消費されている。産総研によれば、国内では年間約230万トンの下水汚泥が発生するが、それをエネルギーとして利用できている割合は26%にとどまるという。汚泥を微生物が分解する消化工程で発生するガスの利用は普及しているが、泥の処理が問題となっている。

両者は下水汚泥の直接ガス化によるエネルギー回収技術の開発を行っおり、その中で副生される油上の物質「タール」の排出抑制が課題であった。新たにそれを改善できる独自の循環流動床装置を開発し、それを実際の処理場でテストするという。

産総研らは「システムを実用化できれば、消化汚泥の処理が不要になるとともに、汚泥由来の燃料ガスを発電に利用し、得られる電力を下水処理場に供給することで環境に優しい処理が可能になる」としている。