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有力企業はなぜ高値なのか? 名大研究G分析

名古屋大学の花薗誠教授らの研究グループは、開発した数理モデルを解析することで店舗数の多い企業は少ない企業よりも高い価格を設定可能であることを証明し、その仕組みを解明した。

他企業を圧倒する数の自動販売機を設置している清涼飲料、ある地域に集中的に立地するコンビニエンスストアやコーヒーショップ、最大規模のタクシーなどは競合他社よりも高い価格設定になっていることは多い。だが、そのメカニズムは不明であった。

研究グループは、サーチ理論という数理モデルの構造に着目。多数の店舗を持つ企業同士が価格競争を行う環境を表現できる新しいモデルの開発に成功した。その結果、店舗数が増えるほど、消費者は競合他社に遭遇しにくくなるため、高値であっても目の前の商品を受け入れやすくなるという。つまり、店舗数の多い企業が少ない企業よりも高い価格設定を行うという定理を発見して証明した。

研究グループは「研究成果は価格設定の根本的な解明に迫るものであり、競争政策を立案する上
での指針となるだけでなく、世界で進む物価上昇を産業レベルで解明することにつながる」と評価している。