産業技術総合研究所と香川シームレス、コヤマ・システムなど5団体は、膝サポーターの着用による歩行の対称性向上の有無を検証した。早歩きの際に転倒リスクの低減に有効だと発表している。
膝サポーターは日常から臨床現場まで、膝に関する問題を抱える高齢者に広く使用されている。着用により痛みや歩行機能の改善などが報告されているが、健康な膝では効果の裏付けが乏しい現状がある。
研究グループは健康な高齢者16人を対象に、歩行中の身体の位置座標と腹部、足部の加速度を計測した。その結果、早歩きの際には快適速度での歩行時に比べて歩行の対称性が低下すること、そして膝サポーターを着用することで、その対称性が向上することが明らかになっている。
研究グループは「早歩きの際に膝サポーターが歩行を整え、転倒リスクを低減するのに有用である可能性を示唆している」と評している。