芝浦工業大学の稲積信哉教授らのチームは、地震の地盤沈下と液状化の被害予測システムを開発した。構造物の建設に適した地盤を持つエリアの特定が可能となり、災害時の構造物倒壊リスクの抑制につながるという。
地震による地盤変動が生じると、土地の地盤は沈下や液状化によって弱体化し、建物の重量を支えられなくなることで崩壊の危険性が高まる。
グループは土の密度と基礎を評価する基準貫入試験とミニラムサウンディング試験を行い、東京都世田谷区のデータを集めた。さらに、緯経度などの地理的座標に基づき、支持層の厚さと深度を予測して3次元マップを作成した。
このマップは地盤が支えることのできる力の大きさを表し、建築物が安定した基礎の上に建っているかを判断でき、それが壊れる危険性を減らすことができる。稲積教授らは「土壌の不安定性などを損なうリスクを特定し、開発用地やインフラ、施設の設計と配置を最適化できる」としている。