奥歯と損失リスクのイメージ
大阪大学の豆野智昭助教らの研究グループは、大阪府の後期高齢者およそ9万人が奥歯のかみ合わせの状態が悪化するほどに、歯を喪失する危険性が高くなることを明らかにした。口腔や全身の健康維持のために、奥にある歯の重要性について議論が深まることが期待されそうだ。
上下の奥歯の調和は残っている歯の負担に影響し、喪失リスクと関連すると考えられてきたが、関連性を大規模な調査で解明したものはなかった。
研究グループは府の後期高齢者9万4422人をおよそ2.2年間分析した。それによると、奥歯のかみ合わせの状態が悪化するほど歯を失うリスクは高くなり、最大で6倍に上った。特に前歯部でその傾向が顕著であると明らかになっている。
グループは「奥歯は食事のためだけではなく、残っている歯を守るためにも重要である」とし「本研究結果より、奥歯のかみ合わせの状態が悪い高齢者は、歯の喪失予防を重点的に行う必要があることが示唆された」と評価している。