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東北地方の離島での南方系マダニ類を確認 離島がマダニ分布拡大の最前線・中継地に

山形大学学術研究院(農学担当)助教の小峰浩隆博士、国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所の岡部貴美子博士らは、東北地方の離島で複数の南方系マダニ類の生息を確認した。この結果は、これまで知られていた地域より北方に、南方系マダニ類が進出しつつあることを示唆している。

また、今回の調査地である離島には哺乳類がほとんど生息していない(在来の哺乳類はジネズミのみ)。一方で、当該地は渡り鳥にとって重要な中継地となっていることから、多様な鳥類が確認されている。これまでマダニ類の分布拡大に関しては、シカやイノシシ等の哺乳類が注目されることが多かったが、今回の結果は、哺乳類だけではなく鳥類も重要であることを示唆するものといえる。

さらに今回の結果は、渡り鳥が多く利用する離島が、気候変動等により南方系マダニ類が北方へ分布拡大する際の、最前線・中継地となっている可能性を示している。