文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL

文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL
産総研 専門医に匹敵する膀胱内視鏡診断AIを開発 医療分野の適用を進める予定

産業技術総合研究所は12日、画像基盤モデルを使用して少量の内視鏡画像の学習から高精度に診断する膀胱(ぼうこう)内視鏡診断支援AIを開発した。

医療分野で画像診断を支援するAIの開発が進んでいるが、医療現場で実際に画像診断支援AIが活用されている領域は限られる。特に患者や検査数の少ない疾病や希少症例では、教師データの収集が難しいため、画像診断支援AIの適用が困難であった。

今回、2種類の数式を併用して自動生成された200万枚の画像から画像基盤モデルを構築。その上で、モデルに対して従来よりも少ない約9000枚の膀胱内視鏡画像を追加学習させた。その結果、画像のみで病変の有無を診断する作業では、8人の専門医を超える診断精度を実現したという。

この精度は、画像認識AIの事前学習に広く使用されているデータセット「ImageNet-21k」と「ImageNet-1k」を事前学習に使った場合の診断精度を超えている。グループは「今後、診断対象領域に合わせて画像基盤モデルを開発し、膀胱内視鏡以外にも教師データの収集が困難な医療分野への適用を進めていく予定だ」としている。