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父の育児、母の子へのお尻たたき行動を減らす 関連評価は世界初 名大調査

名古屋大学の永吉真子講師らは、父親が家事・育児へ参加する場合に母親が子どものお尻たたき行動をしにくい可能性を明らかにしている。これらの関連を評価した研究は初であり、生育環境をより良くするために夫婦間の協力が必要であると解説している。

調査は2010年5月10~24日に、日本で生まれた子ども3万8554人を対象に実施。研究グループは6カ月時点の父親の家事育児への参加頻度と3歳半時点の母親の子どもへのしかり方を分析した。父の育児と家事行動について、行う頻度の平均点を検討している。

その結果、父が家事を行う場合に、母が子どもへお尻たたきをしにくい可能性が示されている。また、父の労働時間が短いときに、育児参加頻度が高いほど母はお尻たたきをしない傾向があると確認された。

研究グループは「関連の因果関係や予防に寄与する要因について、より詳細な縦断的研究や介入評価が必要だ」とし「このようなエビデンスの構築と周知は、子どもを取り巻く環境の充実に寄与する」とコメントしている。