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複数ストレスが脳を変化 過去に緊張した場所でフリーズ発生 東北大など

東北大学の領家梨恵非常勤講師らの研究グループは、複数ストレスと不安行動の観察を行って雄ラットの脳に与える影響を検証した。研究ではストレスのあるラットは、以前に苦痛を受けた場で長時間動けなくなる状態が続いた。消えない不安と偏桃体(へんとうたい)―海馬領域の関連を示唆する成果だという。

研究では複数のストレス曝露(ばくろ)と行動観察に加えて、受ける前と後で脳の変化を検証。脳の形態変化をラットで明らかにした。

それによると、ストレスを受けた約1カ月後の複合ストレス(MS)群のラットは、受けない集団よりもフリーズしてしまうことが多かった。それは偏桃体―海馬領域の容量低下と関係していたという。

グループは「ストレスによる消えない不安の原因となる脳内基盤が特定され、それらの脳領域や神経回路をターゲットとした治療が PTSD に有効である可能性が示唆された」と評価している。