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月深部に大量のガーネットが存在 月の力学に大きな影響 愛媛大

愛媛大学のスティーブ・グレオ研究員らは9日、月の地中に含まれるとされる鉱物「ガーネット」を多く含む岩石試料の音速を大容量プレス装置で測定した。月にガーネットが大量に存在することを示唆する結果になったという。

月には中心に金属核があり、その上にカンラン石や輝石からなるマントルが広がっていると考えられている。だが、月のマントルの深部にあるガーネットの存在については、存在が推測されているが答えがでていなかった。

研究グループは高圧発生装置で、月のマントルを模したガーネットを含む岩石を合成。大型放射光施設「SPring-8」で月深部と同様の圧力・温度で音波の伝搬速度を測る実験を行った。

その結果、グループは月のマントルを模したガーネットを含む試料の速度は、深さ740~1260㎞の月深部の地震波及び密度分布と一致すると結論付けている。一方、ガーネットをほとんど含まない岩石では、地震波速度と密度を説明することができないとしている。

グループは「これらの興味深い結果は、月の組成や形成、内部温度、金属核や現在は存在しない月のダイナモなど月とその内部の力学に大きな影響を与える」と評している。