東北大学の山田将博准教授らの研究グループは、露出していない歯根に存在する歯周組織の一部がもつ性質を模倣し、無数のナノ突起を形成する「生体模倣チタン微細加工法」を開発した。
チタンインプラントはあごの骨に人工の歯を埋め込んで固定する技術だ。かむ力を利用してインプラント周囲の骨を強くできれば、治療効果は長期的に続くと考えられている。だが、そのようなインプラントを形成する加工技術はなかった。
調査によると、インプラントのチタン表面にあるナノ突起が、骨細胞を刺激して細胞間ネットワーク形成を促して、骨形成の反応を高め続けることを示した。生体模倣チタンインプラントは、細胞間ネットワークの発達と骨細胞を制御し続ける可能性があるという。
グループは「ナノ表面微細加工技術の応用により、生物資源を必要とせずに、細胞種横断的に物理的に生物機能を制御するスマートインプラント材料の開発が期待される」と説明している。