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千葉大学とシンガポール大学の研究チームは、ChatGPTなどの大規模言語モデル(LLM)を診療ガイドライン作成に用いることで、必要な情報を高い精度で見つけて従来の10分の1以下まで時間を短縮できたと発表した。8日付の米医科学誌「ジャマ・ネットワーク・オープン」に掲載されている。
診療ガイドラインは、疾患に対する検査や治療を決めるための道標として医療従事者や患者が参考にする文書だ。これを作るためには多くの労力を要する。LLMを使って文献抽出作業を行えれば、作業量を大きく削減できるが、LLMのスクリーニング作業の精度や負担軽減の程度は検討されてこなかった。
研究では診療ガイドラインの中から5つの臨床疑問に関するデータを使用して、LLMがキーワードをもとに患者や集団、問題などに合致する文献を正確に選べるかを検証した。その結果、臨床疑問から病気をもつ人を正しく見つける力は、人よりも高かった。また、作業時間は従来は約17.2分かかっていたが、およそ1.3分短縮することに成功している。
チームは「LLMを用いた文献スクリーングの応用が期待される」とし「今後もAIを活用した作業の効率化につながる取り組みを続けたい」とコメントしている。