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希少ナマズ「アリアケギバチ」、江戸時代の廻水路が重要生息場所 研究G「環境保全への貢献を願う」 九大×WWF

アリアケギバチ

九州大学と世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)のグループは8日、希少なナマズの仲間「アリアケギバチ」が福岡県にある矢部川の廻水路が、重要な生息場所であると明らかにした。水路の保全が生物多様性の保全に貢献することを示している。

研究では矢部川流域に存在する4つの廻水路と2つの支流を対象に、アリアケギバチの生息状況を2022年10~12月に調査した。計70匹が捕獲され68匹が廻水路で採取されている。

廻水路は江戸時代に久留米藩と柳川藩が、稲作のために水を引き込む目的で両藩が造設した水利施設だ。現在では河川の上流と下流をつなぐ機能を果たしている。魚類の回遊を可能にして河川の生態系の維持に貢献しているという。実際、研究によればアリアケギバチの分布確率を高める要因の1つに「廻水路であること」が挙げられている。

グループは「廻水路が希少種であるアリアケギバチの生息地を提供していることは明らかであり、その生物多様性保全価値が示された」としつつ、豪雨災害による被災を指摘。研究成果が廻水路の保全に貢献することを期待しているとした。