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牛由来の鳥インフルエンザ、マウスとフェレットに強い病原性 人への感染効率増を示唆 東大

東京大学の河岡義裕機構長らの研究グループは9日、米国の乳牛で検出された鳥インフルエンザウイルス「H5N1」の動物での感染伝播性などを評価した。英科学誌「ネイチャー」のオンライン版に8日付で掲載されている。

H5N1が人に感染することはまれであるが、うつった場合には50%の割合で死に至る。今年3月以降、米の12州でH5N1の牛の体液を介した感染例が報告されており、感染拡大が懸念されている。

研究グループは牛由来の同ウイルスについて、マウスとフェレットで病原性を解析した。その結果、強い病原性があり、牛乳を介して感染することが分かっている。フェレット間で飛沫伝播(でんぱ)することが判明している。人の上部呼吸器に発現するヒト型受容体に対するウイルスの結合性が明らかになっている。

グループは「牛由来鳥インフルエンザウイルスのヒト型受容体への結合性を有していることは、人への感染効率増加を示唆する重要な知見となる」と評価している。