大阪公立大学の植田大樹准教授らのグループは、胸部エックス線写真で肺機能を推定可能な人工知能(AI)モデルを開発した。患者負担の軽減や検査の効率化につながると考えられている。英学術誌「ランセット・デジタルヘルス」の電子版に9日付で掲載されている。
胸部エックス線写真は最も基本的な検査の一つ。エックス線撮影だけで肺機能が推定できれば検査の効率化につながる。だが、これまで胸部エックス線写真から検討する試みはほとんどされていない。
研究は2003~21年の間に集めた約14万枚の胸部エックス線写真を使ってAIモデルの訓練・検証、外部テストを行った。その結果、肺の大きさや弾性を反映する指標について、肺機能検査の測定結果と高い一致率を示した。
植田准教授は「本モデルの臨床応用に向けて、さらなる検証を進めていきたい」とコメントしている。