沖縄科学技術大学院大学(OIST)のエヴァン・エコノモ教授らのチームは、米国に生息する「フロリダオオアリ」が負傷した仲間の脚を診断し、傷口の洗浄や切断をしていると報告している。機械的な手段のみで作業をしている点が特徴的だという。
研究チームは治療法には口で傷の洗浄だけを行う方法と、その後に脚を切断する2つの手法があることに気付いた。選択する行動には、傷の部位からの感染リスクがあるという仮説をたてた。
実験によると、アリが脚を完全に切断するためには40分かかった。チームのアリは有害な細菌の拡散を防ぐために脚を素早く切断することができないために、傷の洗浄に時間をかけているとされている。
チームは「切断行動に関して言えば、動物界で同じ種の別の個体によって洗練されかつ体系的な外科的切断が行われる唯一のケース」としている。