全自動で植物由来の樹脂を合成するロボットシステム
金沢大学の髙橋憲司教授らの研究グループは5日、ロボット事業などを行う「津田駒工業」と連携して植物プラスチックを全自動で合成するロボットシステムを世界で初めて開発したと発表した。化石資源に依存しない社会の構築に大きく貢献するとしている。
研究では世界に先駆けて、植物由来材料の物性データベースを構築するために必要な植物を原料とする樹脂の合成ロボットを開発した。このロボットは植物由来樹脂の合成を自動化して開発速度を加速することが可能だという。
合成した樹脂は物性を評価し、文部科学省が進めているデータベースへ登録する。その情報は、機械学習の教師データとして樹脂開発に向けて新しい機能性樹脂の予測や設計に利用できる。
高橋教授らは「今後蓄積される植物由来樹脂のデータベースは石油資源に依存した社会から脱却し、植物を資源とする循環型社会への変革に活用できる」と評している。