アンモニア電解合成反応試験の様子
東京大学と大阪大学、産業技術総合研究所、出光興産は4日、空気中の窒素と水からアンモニアを効率的に合成する技術で、従来の約20倍の速度で生成することに成功したと発表している。アンモニア製造をカーボンフリーにするスピードを加速させる革新的技術だという。
燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しないアンモニアは水素キャリアや発電・工業ボイラー用の新燃料として注目されている。だが、製造時のCO2排出量の抑制が課題となっている。
研究では東京大学の西林仁昭教授らが生み出した「モリブデン触媒」を応用した電界合成技術を開発した。電極の単位面積あたりのアンモニア生成速度がこれまでのおよそ20倍速くなり、世界最速を達成したとしている。
グループは「今後は、コスト競争力の高い量産化技術の確立を目指し着実に開発を進め、研究成果をさらに発展させていく」と主張している。