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最遠方133億光年の星団を発見 ブラックホールの種の形成や銀河の進化に新たな視点 早稲田大など

新たに確認された星団

早稲⽥⼤学、千葉⼤学、名古屋⼤学、筑波⼤学などの天⽂学者からなる国際チームは、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を使って133億光年先の銀河で過去最遠方の5つの星団を発見した。ブラックホールの種の形成について新たな視点をもたらす可能性もある。

太陽系のある天の川銀河には、何十億年も生き延びてきた星団である球状星団がある。これは宇宙初期に生まれた化石のような天体であると考えられているが、いつ形成されたのか分かっていない。今回、チームは4億6000万年前の銀河「コズミック・ジェムズ・アーク」の中で、球状星団の祖先の可能性がある星団を発見した。

この星団は、天の川銀河の球状星団よりも質量が大きく、恒星の数密度が高いことが分かっている。スウェーデンにあるストックホルム大学のアンジェラ・アダモ博士は「密度の高さは星団内部で起こっている物理過程を⽰唆するものであり、銀河の進化にとって重要な⼤質量星やブラックホールの種の形成について新たな視点を与える」と指摘している。